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写真家・高山求さんLINO MAKANI ~輝く風~

高山求・プロフィール

1951年、静岡県生まれ。
グラフィックデザイナーとして活動後、アメリカ・ニューヨークに渡り、当時のアメリカが持っていた明と暗をカメラを通して表現することを目的に、ニューヨークや各地を撮影。その際に撮影した写真がきっかけで、プロカメラマンとして撮影依頼を受けるようになる。その後、写真家としての活動を一時休止するも、2004年、ハワイ島、マウイ島、オアフ島で写真家としての活動を本格的に再スタート。現在は、日本全国での個展や、異なったジャンルのアーティストとのコラボレーションなど幅広く活躍している。
詳しくはホームページにて。

花の香りが漂い、風のささやきが聞こえ、やわらかな光を感じる。ハワイの心地よい空気の中で過ごす至福のとき。その最高の瞬間を、ハワイにいなくても感じることが出来たら……。それを可能にしてくれるのが高山求さんの写真。すべて自然光で撮っているというハワイの美しい風景の一枚一枚には、それぞれにストーリーがあり、ひとつとして同じものはない。波の動き、花や葉の表情、時間の流れ、すべての要素を大切にし、どんな瞬間をも見逃さないアンテナを持っている人、私は高山氏にそんなことを感じます。

004-001写真家になったきっかけ
植物を撮るため森に分け入るときは、そっと草を踏まないように歩く。そして植物に語りかけながら写真を撮る。そうやって心を込めて撮られた高山氏の写真を毎日眺めていたら、盲目に近かった人の視力が回復したり、病気が良くなった人もいるという。きっと、感動することで免疫力がアップしたのだろう。そんな不思議な魅力を持つ写真を撮る高山氏だが、そもそも写真家を目指そうと思ったきっかけはなんだったのだろう?

元々、グラフィックデザイナーとして働いていた高山氏だが、自分が作りたいと思う広告に使える写真がなかったので、自分のデザインの中に自分が撮った写真を入れようと思い立ち、デザインと写真の連携をスタートさせた。その後、ジャズの世界に興味があったことから、カメラひとつを持ってNYに渡る。アメリカにおける音楽文化、ベトナム戦争後の繁栄と荒廃、人種差別の実態など、アメリカが持つさまざまなシーンを撮影。それをきっかけに、本格的にプロカメラマンとして活動を広げる。

004-002「数々のミュージシャンの写真を撮るようになっていったんですけど、自分が撮りたいものと、依頼されるものとのギャップを感じてしまったんです。だんだん商業写真になっていくことに抵抗があって、仕事で写真を撮ることをやめてしまったんです」

自分の撮りたいものを撮りたい、とカメラを置いた高山氏。その後、写真は発表するためのものというよりも、自分が撮りたい写真を撮っていくというようになっていった。

「アメリカは当時とても刺激がつよい社会だったんです。特にニューヨークは危ない都市ナンバーワンだったのもあって、どうしてもハードな精神状態になってしまう。だから、日本に帰るときに必ずハワイに立ち寄っていたんです。その頃は、ハワイは撮るためではなく、緊張をほぐすための場所だったんです」

004-003ハワイに立ち寄っては心を癒し、日本に帰国していた高山氏。ハワイの風景に出会ったとき、自然にカメラを向けていた。これは撮っておかなくてはという、本能とか使命感をも感じたという。ただ、そのときは人に見せるという気持ちはなかった。その写真を発表するように勧めたのは、今は高山氏のマネージャーも務めている奥様の裕子さん。

「主人のハワイの写真を見たときに、これはお部屋に飾りたい写真です、と。人を癒してくれる写真だと思うから、皆さんに見せて、目に見える場所に飾ってもらいたい、と何度も勧めました」

それから月日が経ち、夫婦になった二人は、写真を撮る夫と、それを広め伝える妻という素晴らしい二人三脚で、多くの人に感動を与え続けている。

004-006自然光にこだわるワケ
ハワイ以外ではほとんどカメラを手にしないという高山氏だが、その理由とは……。

「きれいな南の島とかリゾートというテーマで撮っているわけではないんです。ハワイの島々の季節ごとに咲く花とか、海のいろいろな表情とかが、僕にはとても心に響くんです。文化や歴史に興味があって撮っているので、同じ南の島でも文化がない島には心が動かない。ハワイをすごく愛しているから、簡単に他の島を撮る気にならないんです」

004-005ただきれいな風景を撮っているわけではない。高山氏はストロボもレフ板も使わず、目で見たままを写真で表現する。自然を自然なままの姿で撮るのが高山氏のスタイルだ。

「ストロボを使うと、平面的になってしまうし、不自然です。レフ板で脇から照らしてそれなりに雰囲気を出して撮る人もいるし、たとえば椰子の葉を海辺に持ってきて置いて撮ったりとか、貝殻をどこかから持ってきて撮ったりとかする人もいるでしょう。でも僕は一切しない。細工しない、手を加えないんです」

そうやってこだわって撮った写真だから、見る人は何かを感じるのだろう。細工してないとか、自然光だけで撮っているとか、そんなことは知らなくても、どこかでなにかを感じる。自然のままに撮っているからこそ、「見たことがある光景」と共感できる。「こんなきれいな瞬間があるんだから、そのままを撮ってあげたい」。そんな高山氏の優しい思いが写真にあふれているから、見る者を感動させるのでしょう。

004-004花に呼ばれる瞬間
「最近よく主人が言うのは、花に呼ばれているって。ジャングルの中に入って行って、その季節にはありえない種類の花と出会うんです。どうしてそこに行ったの?って聞くと、呼ばれた気がしたって。それは主人がすごく大切に自然を撮ってあげているから、ここに咲いているよって呼んでくれているんじゃないかって私は思うんです」と裕子さん。さらに高山氏も、森に入るとふっと目がいく場所があったりすると語る。

「どんどん目に付くんですよ。何ヶ所でも足が止まる。呼びかけてくるんですよ、撮って欲しいって。それがマナなのかわからないけれど。車に乗っていても気になってUターンしたり。それなりに、撮りたいという強い意志、執念があるからだと思うんですが」

この話を聞いて私は、ある話を思い出した。何年も前のことだが、ある雑誌でパワーストーンのお店を取材した。そこのオーナーがそのときに面白い話を聞かせてくれた。石が急に輝きだすときがあるのだ、と。毎日見ている石なのに、あるとき急に輝きだす。すると、その石を購入する人がすぐに現れるのだそうです。輝いたから買われていくのではなく、買主と波長で引き寄せあい、買われていくのがわかるから輝くのではないか、というお話でした。だから、高山氏と植物たちも、そうやって引き寄せ合っているのではないかと私は思うんです。

「こっちを向いてって言っても、向いてくれないでしょ。それで向いてくれたら奇跡(笑)。だから、こっちから近づいていくんです」

被写体に語りかけるようにして写真を撮る高山氏の姿は、傍から見ると、植物と会話しているようにも見えるらしい。

「こんなに素晴らしい風景と出会わせてくださったと、という感謝の気持ちがあるから、余計ハワイは主人に素敵な風景を見せてくれるのではないかと思います」と裕子さんは語る。

撮る側の想い、撮られる側の想い、それを見る人の想い、それぞれが何かを感じている。同じ波長で引き寄せられ、いつも高山氏の個展会場にはアロハがいっぱい溢れている。みなさんは、高山氏の写真を見て何を感じますか?

 

取材・文 アロヒナニ
アロヒナニ・プロフィール 
ハワイ文化講師、カードセラピスト、フリーライター 
ハワイ留学をきっかけにハワイ文化に魅せられ、フラ歴は 15 年を超える。
日本におけるマナ・カード・リーディングの第一人者であり、各プロバイダーにて配信されている「マナ・カード・ネット占い」の監修をしている。また、マナ・カードや他のツールを使った個人セッションを行っている。現在、フラやマナ・カードを教える講師として、ハワイ文化を広めるため活動中。全国でワークショップを展開中。http://alohinani.com 
写真提供 高山求

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