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ブルース・シマブクロさん・インタビュー

ブルースとウクレレ

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ハワイでのウクレレフェスティバルからタイで開催されたウクレレフェスティバル(タイではウクレレがブームなのだそう)での出演を経て来日したブルース。南国の暑さから一転、都内で久しぶりにまとまった雪が残る東京で、薄手のスウェットに、ダウンジャケットというラフな格好でライブハウスにやってきた。 ウクレレを手にしたのは子供のころ。兄ジェイクはモチロン、母もウクレレを弾いていた。ハワイに住んでいるからこその、ごく自然な流れだった。その頃からもの凄く興味を持っていたわけではなく、ハワイの定番の曲をひいていただけ、と言うが、既に『曲という程の曲ではないけど』短いフレーズを作って遊んだりすることはしていたと言う。

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そんなごく普通の『ウクレレ好き』だった彼が、ウクレレに対して深いつながりを感じ始めたのは、趣味で曲を作り始めてから。高校生のときに付き合っていた女の子にラブソングをプレゼントしよう、と思いたち、これがブルースいわく、『これが一番最初に作った”ちゃんとした曲”(笑)』。そして、後の作曲活動のきっかけになったのだと言う。フレーズに彼女への想いを込めてみたけれど、残念ながら想いは届かなかったが、その曲は『HERO』という曲でアルバムに収録されている。

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今回の来日はウクレレワークショップとライブが目的。ハワイでは定期的にウクレレワークショップを行っているが、日本語をしゃべれない彼は、ワークショップで一番に心がけているのは、まずウクレレで音楽を楽しみ、感じてもらうこと、言葉が通じなくても、ウクレレを通して生徒さんと心が通わせられる楽しさを実感している。 ハワイではUkebox(ワイキキ・パシフィックビーチホテル1階)でのレッスンの他はローカルたちが通う学校での課外授業などで教えており、ほぼ仕事場と家の行き来のみで一日が終わる。特にこだわりが無いので余り外を出歩かず、専ら自宅で過ごすことが一番落ち着くのだそう。

歌手と一緒で自分のスタイルに合ったもの選ぶ。現在使用しているウクレレは2本。Takamineの『Kiso』、兄・ジェイク~プレゼントされたKAMAKA。3年前位の誕生日に注文した、と兄に言われ、もらったのは去年(笑)。本当に注文してくれたのかなぁ…と今でも思ってるよ、と冗談交じりに話してくれた。

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日本の震災に対する想い。 まだ多くの人の心を痛める東日本震災の記憶。ハワイではいち早く企業やアーティストらが立ち上がり、ワイキキで様々なチャリティイベント活動を行っていたことは、知る人も多いだろう。ブルースもその一人だった。東日本震災から1年がたった今、改めてその想いを聞いてみたところ、意外な答えが返ってきた。 『本当は(表現者として)色々な言わなければいけないと思うのだけど、厳しい状況の中にいる人々に、あの痛みを経験していない僕が『がんばれ』と安易に言えない…』と話した。あの震災で、何かしなくてはいけない、自然に対して余りにも無力な自分を目の当たりにし、どうすればよいのか分からなくなった人も多いだろう。ブルースも同じだった。日本の血をひく彼もまた複雑な思いで日本の惨状を見て、同じように心を痛めた。自分の表現の場所はウクレレで心を通じ合わせること。彼のウクレレの音色は力強く、切ない。その音色が多くの聴衆を魅了し、感動させるのだ。もしかしたら、心の奥底にある様々な彼の思いは言葉ではなく、ウクレレに乗せてエールを送っているのかもしれない。

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